北海道・十勝地方の郷土料理「豚丼(ぶたどん)」は昭和初期に帯広市の大衆食堂から広まっていったとされています。近年のご当地グルメブームに背中を押され、全国区の知名度を誇るまでになりました。東京や大阪など十勝以外のエリアでも豚丼をウリにする飲食店が現れるほどです。しかし、本当に美味しい豚丼を提供しているお店は、それほど多くありません(とくに一時期、某大手外食チェーンがグランドメニューに加えていた「豚丼・十勝仕立て」などは論外)。
そんな中、自信をもってオススメできるのが帯広市で知らぬものはいない大人気店「ぶた丼のとん田」です。初めて訪れる人でも路頭に迷うことがないよう、駐車場や行列対策、メニューについて詳しく紹介します。
・所在地…北海道帯広市東10条南17丁目2番地(JR帯広駅から東へ2km、札内川の近く、片側2車線の「弥生通り」沿い)
・営業時間…11:00~ラストオーダー18:00、中休みなし
・定休日…日曜
・席数…50席
・駐車場…店舗ウラに21台分
・その他…現金のみ、クレジットカードや電子マネー利用不可
「ぶた丼のとん田」基本情報
JR帯広駅の東2km
「とん田」はJR帯広駅から東に2kmぐらいのところ。十勝川の支流「札内川(さつないがわ)」と並行して走っている片側2車線の大きな道路「弥生通り」に面しています。
店内は50席
テーブル席、小上がりのほか、カウンター席が多めに用意されているため1人でも気軽に入店できます。合計50席。まあまあ大きなお店なのに、開店直後から満席になるんです。
※新型コロナウイルス対策のため、現在は席数を減らして営業しています。
駐車場は店舗ウラ
駐車場は店舗ウラに21台分。入口では、やや鋭角にハンドルを切る必要があります。【P】の看板がないので(2018年7月時点)、初めての訪問だと分かりにくいかもしれません。うっかり通り過ぎないように。
写真手前の赤いコーンが置いてあるところは車両進入禁止です。毎度、間違えて入りそうになってしまうクルマを見かけます。お昼どきなど混雑する時間帯は次から次にクルマが到着するため、ほんの1~2分のモタモタが入店時には10~20分の差を生むことも。
砂利道を経由し、白線で区切られたアスファルト舗装の「とん田」専用駐車場へ。
6月下旬の土曜日、開店45分前(午前10:15頃)の駐車場の様子。すでにクルマが集まり始めています。ほとんどが帯広以外のナンバーで、レンタカーもチラホラ。
混雑する時期の混雑する時間帯には駐車場整理の人が常駐しています。満車の場合は整理券が配られることもありますが、指示にしたがってクルマを移動すればOK。
店舗が面している弥生通りには中央分離帯があり、北行き車線からしか進入できません。反対側(南行き)車線を走ってきた場合は少し離れたところでUターンする必要があります。ボタンをかけ違えると思わぬ遠回りを強いられますゆえ、がんばって一発でキメてください。
古い情報に注意
▲「とん田の旧店舗」(2013年撮影)
現在の店舗は2017年の夏に新築オープンしたものです。それまでは違う場所で営業していました(JR帯広駅と新店舗の中間付近)。旧店舗は駐車場に余裕がなく、店内の座席数も少なかったため、押し寄せるお客さんをさばききれないことがありました。あまりにも手狭になったため新店舗に移転したのです。
この旧店舗には現在、「たれ工房」の看板がかかっています。とん田製の「ぶた丼のたれ」が商品化されているので、それをココで作ったりしているのかもしれません。いずれにせよ、遠い昔の記憶やネット上の古い情報を頼りにして「とん田」を目指すと旧店舗にたどり着いてしまうので注意してください。
基本メニューは3種類
ロースぶた丼
▲脂身と赤身のバランスが絶妙な、とん田の看板メニュー「ロースぶた丼」。2020年12月現在の価格は790円(税込)です。味噌汁と漬物、好みで味をととのえるための「たれ壺」が付いてきて、この価格ですからね。おトク以外の何物でもありません。
この厚み。薄っぺらい肉がダメだとは言いませんが、これぞ本場、帯広の豚丼です。
うっすらと、たれが染み込んだ白飯。この白飯をおかずに白飯がくえる感じです。途中で飽きることなく、おいしいままゴールイン!都会のお店だったら1100円ぐらいでも全然おかしくないクオリティとボリュームですよ?
「帯広の豚丼」が誕生した昭和初期は、ロース肉が基本だったとのこと。どれにしようか迷ったときは「ロース」で間違いないと思います。
バラぶた丼
▲こちらは旧店舗で食べたときの「バラぶた丼」の写真ですが、新店舗においても、見た目、味、添え物など、全く同じスペックです。2020年12月現在の価格は790円(税込)。
個人的にはロースよりも断然こっち。脂身の旨さが際立つ逸品です。ロース肉の豚丼は他の豚丼専門店でも食べることができますが、せっかく「とん田」に来たのであれば、ぜひバラ肉のほうを試してみていただきたい!
帯広畜産大学出身の知り合い(昭和44年生まれ・男性)も「市内に何軒かあるけど、とん田のバラ肉のやつが1位」と申しておりました。※個人の感想です
ヒレぶた丼
すみません。「ヒレ」は一度も注文したことがなく、自前で画像を用意できません。脂身が苦手な方や、脂身を避けたい気分のときにオススメ、ということになるんでしょうか。
↓「柳まお@月刊パチマガスロマガ」さんの投稿から引用
『とん田』のぶた丼比較写真(笑)
1枚目はあたしが食べたヒレぶた丼のお肉大盛り。
2枚目はM氏が食べたロースぶた丼の普通盛り。
3枚目はまやさんが食べたバラぶた丼の肉大盛り。
肉の好みでぶた丼選べるの嬉しいね☆#北海道 #ぶた丼 #とん田 #帯広 pic.twitter.com/Uav8jtRlGe
— 柳まお@月刊パチマガスロマガ (@yanagimao) September 14, 2018
その他メニュー
基本の3品のほかにも、ちょっと特別なメニューが用意されています。
・ロース&バラ盛り合わせ(940円)…「もう二度と帯広に来れないかもしれない」という方にオススメ。ロース肉とバラ肉、両方をいっぺんに楽しむことができます。※大盛り不可。
・バラぶた丼のオニオンのせ(840円)…まかない料理から生まれた、いわゆる”裏メニュー”的なやつです。※大盛り不可。※写真とは異なり、オニオン(玉ねぎ)は実際には白飯と肉の中間に敷かれて出てきます。
▲ロース・バラ盛り合わせ940円(税込)
盛り合わせのバラ肉の部分。
盛り合わせのロース肉の部分。いっぺんに両方の美味しさが楽しめてしまう、超おトクなメニューです。
ひとりに1ツボ。とん田のたれが付いているので、好みの味に調節できるのがうれしいっすよね。
新設の「とかちチャーム」
2020年の夏、「豚丼・とん田」の敷地内に、テイクアウト専門の小さなお店が誕生しました。その名も「とかちチャーム」。もちろん、とん田と同じ経営者さんが始めたお店です。
とかちチャームが提供しているのは「とかちードッグ」と「ミーパオ(米包)」の2つ。
「ミーパオ(米包)」は全国でも珍しい米粉100%のおまんじゅうで、「とかちードッグ」のほうは創業者が30年以上前に好きだった「原宿ドッグ」のチーズ味をもう一度食べたくて再現したとのこと。テイクアウトのほか、「とん田」の店内でも食べることができるようです。
すごく気になったけど豚丼でおなかいっぱいだったから、さすがにムリでした(にがわらい)。
行列対策
観光シーズンの昼は大混雑
▲6月下旬の土曜日、開店から40分経過(午前11:40頃)の行列の様子。一巡目で満席になったあと、二巡目も店内に入り始めた頃合いです。13:00ぐらいにかけて、ここから更に行列が伸びていきます。
北海道の観光ハイシーズンは6月から8月にかけての3ヶ月間ですが、とくに夏休みが絡む7月下旬から8月中旬にかけては平日・週末を問わず激混みとなります。↑の写真の行列の長さなんて、まだまだカワイイものっすよ。
お昼を避ける
「とん田」には中休みがなく、午前11:00からラストオーダーの午後6:00まで、通し営業となっています。可能ならば、”ごはんどき”を避けると良いでしょう。14:00以降か15:00以降を推奨します。
1巡目を狙う
午前11:00前に到着し、行列が50人よりも少なければ1巡目で席につける可能性アリ。ただし、一部の客は4人がけのテーブル席を2~3人で利用するケースが考えられるので、目測を誤らないとも言い切れません。
午前10:30頃から並び始めて2巡目以降に回された場合は1時間以上の待ちが不可避となります。午前10:00よりも前から並べば1巡目にありつける可能性大ですが、開店が午前11:00なので、それはそれで1時間以上の待ちとなります。
電話で予約してテイクアウト
容器代(50円×注文数)が別途必要になりますが、テイクアウトもやっています。飛び込み訪問でも注文できますが、事前に電話予約を入れておけば、わずかな待ち時間で受け取れます。ちなみにテイクアウトに「味噌汁」と「漬物」は付いてきません。
いっそのこと自宅で作る
豚丼のレシピ(2人前)
・厚切りの豚バラ肉…300g
(豚ロース肉でも可)
・豚丼のたれ…150cc前後
(大さじ6~7)
・お好みで…薬味ネギやグリンピース、タマネギ、山椒など
豚丼のたれ(2人前)
「豚丼のたれ」は市販品を使うのが便利ですが
・砂糖…大さじ2~3(20g前後)
・みりん…大さじ3~4(50cc前後)
・水…1カップ(200cc)
これらを肉と一緒に煮詰め焼くのもアリ。
↓「とん田」のレジ横に置いてある「ぶた丼のたれ」を発見しました。
帯広市のアクセス・宿泊情報
道外から飛行機で帯広へ
飛行機を使って帯広市を訪問する場合、まず思いつくのは「とかち帯広空港」を利用するルートです。ただし「とかち帯広空港」と直行便で結ばれているのは「羽田空港」1つだけなので注意してください。
・片道1時間35分~1時間45分ぐらい
・1日7往復(JAL×4便/AIR DO×3便)
日程に余裕がある旅ならば、まずは「新千歳空港」に飛び、そこからレンタカーで帯広市に走るルートをおすすめします。
・青森
・秋田
・いわて花巻
・仙台
・山形
・福島
・新潟
・信州まつもと
・茨城
・成田
・羽田
・富山
・小松
・静岡
・中部国際
・関西国際
・伊丹
・神戸
・岡山
・広島
・松山
・福岡
・那覇
(2019年5月現在)
ご覧のように、羽田空港としか直行便で結ばれていない帯広空港とは違い、新千歳空港は全国各地の空港と結ばれていて何かと便利です。新千歳空港ならLCC(格安航空)も飛んでいますし、レンタカー会社も充実しています。札幌や小樽方面の観光と絡めたい場合も、新千歳空港を拠点にして動いたほうが都合がいいと思います。
北海道のレンタカー情報
函館や小樽、札幌の繁華街(すすきの)などをピンポイントで観光するだけならレンタカーは必要ありません。しかし十勝地方のように観光スポットがあっちこっちに点在しているエリアを動き回りたい場合はレンタカーが必須となります。
新千歳空港でレンタカーを借りて返す場合の相場
・コンパクトカー(ヴィッツなど)…1万1000円前後
・ハイブリッドコンパクト(アクアなど)…1万2000円~2万円
※GWと7・8月(=北海道の観光ハイシーズン)期間中は1~2割、高くなる場合があります。
レンタカー会社によっては時期や車種によって基本料金が大きく異なるので、料金比較ができるサイトを利用しての予約をおすすめします。
新千歳空港周辺のレンタカー会社のほうが割安
新千歳空港以外の北海道内の各空港にも(もちろん帯広空港にも)レンタカー会社がありますが、新千歳空港周辺のレンタカー会社の相場よりも1~2割、高いと思っておいたほうがいいです。新千歳空港周辺のレンタカー会社が割安なのは、利用者数・レンタカー会社の数が圧倒的に多く、競争原理が働いているからだと推測されます。
札幌からクルマで帯広へ
高速道路経由で2時間45分
【200km・所要2時間45分】札幌市→札幌南インター→(道央自動車道)→(道東自動車道)→音更帯広インター→帯広市
一般道経由で4時間
【205km・所要4時間】札幌市→(国道274号)→日勝峠→(国道38号)→帯広市
札幌から鉄道で帯広へ
特急列車で2時間45分
【所要2時間45分・片道7260円】札幌駅→(特急とかち・特急おおぞら)→帯広駅
青春18きっぷで4時間~7時間30分
【所要4時間~7時間30分】札幌駅→(千歳線・普通列車)→南千歳駅→(石勝線・普通列車)→新夕張駅→(特急おおぞらor特急とかちの自由席)→新得駅→(根室本線・普通列車)→帯広駅
札幌から高速バスで帯広へ
【所要3時間30分~4時間】札幌→(都市間高速バス「ポテトライナー」)→帯広
帯広市の宿泊情報
帯広市内のほか、音更町(おとふけちょう)、芽室町(めむろちょう)などにビジネスホテル、観光ホテル多数あり。十勝地方の観光ハイシーズンは6月下旬から8月にかけてですが、札幌周辺とは違い、予約が極端に取りにくくなったり、室料が極端に高額になることはありません。たぶん。
全国チェーンなら「ホテルルートイン帯広駅前」「東横インとかち・帯広駅前」「スーパーホテルPremier帯広駅前」「アパホテル帯広駅前」など。