クルマで国道や県道を走っているとき
あれっ、この建物、昔は違うお店だったよね? なんだったっけ。
そんな場面に遭遇したことがあると思います。すぐに分かるものもあれば、なかなか思い出せないものもあるでしょう。
当サイトで紹介する「アルペン物件」は、その特徴的な店舗デザインにより速攻で、
むしろ食い気味に
思い出せてしまう分かりやすい建物ばかりです。
あまり多くを説明する必要はないかもしれませんが、ボクが2002年から全国各地でコレクションしている写真の一例を見ながら、「アルペン物件」というものについて説明したいと思います。
アルペン物件とは?
まずは普通のアルペンから
これは2010年に愛知県春日井市で目撃した「普通に営業しているアルペン」です。
紺色のテーマカラーに格子柄のカベ、そして最大の特徴ともいえる大きな三角形。お笑い芸人「千鳥」・ノブさんの言葉を借りるならば
クセが強ぇ
そんな建物です。
ちなみに2017年9月現在、ごく一部ではありますが、この特徴的な建物のまま「スポーツ用品のアルペン」として営業している店舗も存在しています。完全に姿を消しているわけではありません。
こちらが「アルペン物件」
2006年10月に福島県福島市・国道4号線沿いで目撃した「アルペン物件」。三角形の部分に文字をナナメに配置するなど、特徴的な店舗デザインをうまく活用しています。
このように、いわゆる「居ぬき物件」として、かつてアルペンだった建物が現在は違う使われ方をしているケースを「アルペン物件」と呼んでコレクションしているのです。
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さて、その11年後に同じ場所を再び訪れてみると…
引越し屋さんに変わっていました!
やはり、三角形の部分に文字やロゴをナナメに配置しています。ナイスですね。この福島市の物件に関してはブログ記事のほうで触れる機会があるかと思いますので、ここではこれ以上深追いしません。
単純な、刹那的な写真のコレクションで終わらせるのはモッタイナイですよ。
スポーツ用品のアルペンは今
東証一部上場の大企業
愛知県名古屋市に本社を置く「株式会社アルペン」は売上高2236億円(連結・2016年6月期)、東証一部上場の大企業です。
1972年に名古屋市にオープンした小さなスキー用品店から、その歴史が始まりました。その後、1970年代後半から1990年代前半にかけてのスキーブームに歩調を合わせて業績が拡大。さらに広瀬香美さんの楽曲が使用されたTVコマーシャルが1993年から放映されるとアルペンの知名度が一気に上昇し、押しも押されもせぬスポーツ用品販売のトップ企業へと成長していきます。
店舗の大型化を推進
売り場面積の小さい店舗の閉鎖・統合を進め、代わりに「SPORTS DEPO(スポーツデポ)」の名称で全国展開している大型店の数を増やしています。そのため、従来から親しまれてきた三角形の「アルペン」は数を大幅に減らすこととなりました。
というわけで、全国各地に次々と「アルペン物件」が誕生したのは株式会社アルペンが業績悪化を理由に資産を切り売りしたからではありません。ましてや、倒産した事実もありません。誤解のないようにお願いいたします。
個人的なルール
三角形の頂点までが「アルペン物件」
「アルペン物件」の写真を撮る際は、必ず建物の頂上まで全てを入れなければなりません。建物までの距離が近い場合、かなりの角度で見上げないと全体を写し込むことができませんが、がんばって見上げなければならないのです。
かつてツイッターや旧ブログなどで「アルペン物件」の投稿を受け付けていたとき、三角形の途中までしか写っていない画像を送ってきた方が少なからずいらっしゃいました。どうやら「わざわざ三角形の頂点まで入れて写真を撮るのは、本気っぽくて恥ずかしい」ということらしいのです。が、しかし、
そもそも「アルペン物件」の写真を撮ろうとすること自体、ちょっと恥ずかしいことです。
三角形の頂点を入れようが入れまいが、です。がんばって撮らなければいけないのです。
「ゴルフ5」はノーカン
三角形の部分に新たな看板が付け加えられているので少しわかりにくいかもしれませんが、よくよく見れば確実に「かつてアルペンだった建物」です。しかし「ゴルフ5」は株式会社アルペングループの店舗ブランドの一つにすぎないので、かつてアルペンだった建物に入居するのは当たり前。なんの意外性もありません。
同じ理由により、靴専門店の「ミフト」(=やはりアルペングループ)になっているケースも「アルペン物件」には含めません。ノーカウントです。……いや、べつにカウントしたからといって誰かが困るわけじゃないんですけどね。あくまでも個人的なルールです。
これで「アルペン物件」については、だいたい理解していただけたのではないでしょうか。