伝統工芸品「こけし人形」で有名な宮城県・鳴子温泉(なるこおんせん)の少し上流にあるのが鳴子ダム。外国の建設技術や外国人技師に頼ることなく、日本人だけの手で作られた初の「純国産アーチ式コンクリートダム」として知られています。
訪問したのが夏だったので毎年5月に行われる鳴子ダム名物「すだれ放流」は見ることができませんでしたが、完成から60年以上が経過した歴史の重みが伝わってくる素晴らしい景観を堪能してきました。
鳴子ダムへ
鳴子温泉郷から北へ数キロ
平成27年11月開通のバイパス
宮城県大崎市の鳴子温泉郷から国道108号線を北に向かうと、ほんの数キロで目的の鳴子ダムに到着。国道108号線は旧道と新バイパスのどちらを選択しても標識に従えば大丈夫ですが、バイパス経由だと少し遠回りになります。今回は山形県側からのアプローチだったことと、新しく開通した道路を走ってみたかったこともあり、バイパス経由でダムに向かいました。
カードはダム管理事務所で配布
駐車場完備
国道108号の旧道沿い、鳴子ダムの堤体からは少し離れていますが、わかりやすい看板が出ているので迷うことはありません。ダム管理事務所の建物の前に一般の訪問者が停められる駐車スペースが用意されています。
クマ注意!?
野生のクマが建物の前にきて、自動ドアがウィ~ンと開いてしまったことが実際にあったんでしょうか。ちょっと怖いですね。
管理事務所の1階フロア
日本初の純国産アーチ式ダムであることが評価され土木遺産に認定されたことをアピールするハタ。
土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、平成12年に認定制度を設立いたしました。推薦および一般公募により、年間20件程度を選出しています。
(公益社団法人・土木学会の公式HPより引用)
鳴子ダム60周年ということで、「還暦」を祝う赤いお召し物をまとっていらっしゃる大きな「こけし人形」さん。ちょっとシュールな雰囲気も漂いますが、おめでとうございます。
展示パネルの一例。貴重な写真がたくさん掲示されていました。
ダムカードの配布は毎日8:30~17:00
ボタンを押すと職員の方が来て、ダムカードを手渡してくれます。お忙しいところ恐縮です。配布は土日・祝日も含めた毎日8:30~17:00(ただし年末年始の12月29日~1月3日は除く)。
ダムカードのオモテ面
カードのオモテ面は毎年5月・GW中に行われる鳴子ダムの風物詩「すだれ放流」の様子。雪解けで水位が上がる5月頃、ダム堤頂部にある8門のクレストゲート(高さ94.5m)から豪快に水を流し落とすもので、多くの観光客が訪れます。こいのぼりも見えていますね。
カード右上のアルファベットの意味
F=洪水調節
A=かんがい用水
P=発電
カード右下のアルファベットの意味
A=アーチ式コンクリートダム
ダムカードのウラ面
展示室・展望室
貴重な資料がたくさん
管理事務所1階の展示室には鳴子ダムに関するものを始め、東北地方のダム全般についての情報を知ることができる資料がたくさん置かれています。
時間が許せば、何時間でも滞在したくなりますよ。
展示室から展望室へ
展示室から外に出れば、眼下に広がるダム湖の雄姿。無料で使える双眼鏡がありました。
荒雄湖
展望スペースからの眺め。「荒雄湖(あらおこ)」と名付けられた湖面が北の方角に伸びています。秋になると紅葉が美しいこの一帯は「栗駒国定公園」に指定されています。
鳴子ダムの見事なアーチ!この展望スペースからクッキリ望めます。
展示室の説明パネルより。
ダム堤体へ
見学者用の駐車場完備
ダム管理事務所から国道を少し下流方向(鳴子温泉方面)に走ると、「鳴子ダム展望広場(はコチラ)」の看板が出ています。広い駐車スペースがあるので、そこにクルマを置き、徒歩でダム堤体を目指します。
駐車スペースからダム堤体までは徒歩5分ほど。左岸(上流から下流の方向を見て左側)沿いの小道を歩きます。
誰かがドローンを飛ばしたようですね。
ダム堤体に到着
アーチの中央にクレストゲート×8門。活躍するのは、基本的に毎年5月に行われる「すだれ放流」のときだけです。
天端は徒歩での通行が可能。長さ215m!
荒雄湖は北上川水系江合川(えあいがわ)の上流部にあたります。源流付近までさかのぼったところの鬼首(おにこうべ)温泉郷には日本有数の地熱発電所がありましたが、2017年3月末をもって廃止されています(2023年頃、施設を更新して運転再開の予定)。
見上げれば、さっきまでいたダム管理事務所の建物。
洪水吐(こうずいばき)の設備はローラーゲート×2門。ここからトンネルを通って下流部に水が流されます。
ダム堤体の少し上、山肌にへばりついているのは国道108号線の旧道。新道(バイパス)は右岸側の山中をトンネルで貫いています。
堤頂から下流方向を望む。
ちょっと珍しい、ハの字の形をした減勢工(げんせいこう)。
観光売店の廃墟探訪
駐車スペースのすぐ脇
ダム堤体の見学をするためにクルマを置いた場所の、すぐ脇。かつては多くの観光客で賑わっていたであろう、売店の廃墟がひっそりと佇んでいます。
「実演販売」の文字だけが残っている建物。おそらく、こけし人形をお客さんの目の前で作って販売していたのでしょう。
「うどん」「そば」「好評」「街道一」の文字が読み取れます。
かつての賑わいが偲ばれる好物件
こちらの看板には「名物」「おでん」「やきとり」、そして、ちょっと見にくいけど「喰道楽」の文字も。喰道楽=今でいうところの「グルメ」みたいなものですね。
古い道路地図や業務用調味料の缶、パチンコ店のライターなどが散乱していました。
……おや?
おやおや?
2本150円
4本300円
6本450円
・
・
・
16本1200円
18本1350円
20本1500円
焼き鳥の販売価格の早見表でしょうか。紙が貼ってありました。これなら団体客が押し寄せても安心だ(笑)。かつての賑わいが偲ばれる好物件です。
なつかしの「ペプシチャレンジ」
おぉっと!
もうすこしで見逃すところでした。ボクが中学生の頃、実際に体験したことがあるペプシチャレンジ! 無料でペプシを飲むことができるので、何度かお世話になったものです。
ペプシチャレンジとは?
1981年(昭和56年)に北海道で、その後、1983年以降には全国各地で行われたペプシコーラ社の販促キャンペーン。目隠しをした状態で無地の紙コップに入った2種類のコーラ(コカコーラとペプシコーラ)を飲んだあと、「どっちが美味しいですか?」とペプシの服を着たキレイなお姉さんが聞いてくるのです。目隠しをしていても、どっちがコカコーラで、どっちがペプシコーラなのかは丸わかり。で、ペプシの服を着たキレイなお姉さんからそんなこと聞かれたら、そりゃ、「…こ、こっちです(ペプシのほう)」と答えてしまいますって。
ボクの人生における、生まれて初めての忖度(そんたく)でした。
こうして得られたデータをもとに、ペプシコーラ社は「先入観なしにコーラを飲み比べてもらったら、じつに○○%もの人がペプシのほうが美味しいと答えました!」と大々的にコマーシャルしていたのです。「ペプシチャレンジ」についてのWikipediaのページには心理学うんぬんのくだりが書いてあるけど、そんな小難しい話じゃないですよ。
説明おわり。
鳴子ダムカレー
川渡温泉の「キッチンなの花」さん
鳴子温泉から国道47号線を10分ほど東(大崎市中心部の方向)に走ったところ。12軒ほどの温泉旅館がある川渡温泉(かわたびおんせん)に到着です。
川渡温泉をつらぬくメインストリート(といってもそんなに広い道路ではありません)沿いに建つ食堂「キッチンなの花」さんへ!
すぐとなりに「カガ屋お客様駐車場」の看板が目印の駐車場があって、ここにクルマを置きました。「キッチンなの花」のお客さんも停めて良いとのことです(確認済み)。
駐車スペースは6台ほど。
鳴子ダムカレーを注文
店内はカウンター5席、小上がり8席、テーブル2つで20席ほど。ほかのお客さんは「生姜焼きランチ」「ピカタランチ」などを注文してる人がほとんどでした。
鳴子ダムカレーは単品が880円、ケーキ・コーヒーとセットで1180円。ランチタイム(11:00~14:00)のメニューです。
実食!
どどーん
白ごはんのアーチが見事です。地元、宮城県大崎市産のお米「ひとめぼれ」を使用。
荒雄湖(カレールー)の上に乗っているのは豚バラ肉、じゃがいも、にんじん、緑の野菜(季節によって変わるらしい)など。細かく刻まれた玉ねぎがたっぷり入ったトマトベースのルーが思いのほか本格的で、めちゃくちゃ美味しかったですよ。
ムリヤリ訂正
店内の壁に貼ってあった、ダムカレーの仕様書(?)。
以前は「780円」で提供していたようですね。ムリヤリ「880円」に訂正してありました(笑)。
付属のスープや福神漬け・ラッキョウも含めてハイクオリティな内容のカレーだったので、880円で納得です。
ダムカレーカードもゲッツ。ごちそうさまでした!
・住所…宮城県大崎市鳴子温泉川渡18-4
・営業時間…ランチ11:00~14:00/カフェタイム14:00~16:00
・定休日…水曜
・駐車場…店舗横に6台ほど
地図・アクセス
【マイカー・バイクで鳴子ダムへ】
・大崎市から国道47号線・国道108号線経由で45分前後
・山形県新庄市から国道47号線・国道108号線経由で1時間前後
・秋田県湯沢市から国道108号線経由で1時間10分前後
【電車・バスで鳴子ダムへ】
・東京駅から東北新幹線「古川駅」まで「やまびこ号」で2時間10分
・JR古川駅からJR陸羽東線経由でJR鳴子温泉駅まで各駅停車で1時間
・JR鳴子温泉駅前から大崎市営バス《鬼首線》に乗り「鳴子ダム」バス停下車(1日5~6便・片道200円)
【仙台空港】
・新千歳、成田、羽田、小松、中部国際、伊丹(大阪)、関西国際、神戸、南紀白浜、広島、出雲、高松、福岡、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、那覇の各空港から直行便あり
【山形空港】
・新千歳、羽田、小牧(名古屋県営)、伊丹(大阪)の各空港から直行便あり
【宿泊】
・大崎市内にビジネスホテル数軒あり
・鳴子温泉郷に宿泊施設多数あり
2017年10月現在、大崎市の近隣でオールナイト営業しているサウナ・健康ランドは
・ありません
2017年10月現在、大崎市の近隣でシャワー設備のあるインターネットカフェは
・快活クラブ4号仙台泉店(宮城県仙台市泉区)
鳴子ダム周辺の「まんだむ」
・上大沢ダム…ダムカードの配布は宮城県大崎地方ダム総合事務所(加美町)で平日8:30~17:15
・岩堂沢ダム…ダムカードの配布は宮城県大崎地方ダム総合事務所(加美町)で平日8:30~17:15
・二ツ石ダム…ダムカードの配布は宮城県大崎地方ダム総合事務所(加美町)で平日8:30~17:15
・化女沼ダム…ダムカードの配布は宮城県大崎地方ダム総合事務所(加美町)で平日8:30~17:15
・漆沢ダム…ダムカードの配布は宮城県大崎地方ダム総合事務所(加美町)で平日8:30~17:15
・小田ダム…ダムカードの配布は宮城県栗原地方ダム総合事務所(栗原市)で毎日8:30~17:15
・花山ダム…ダムカードの配布は宮城県栗原地方ダム総合事務所(栗原市)で毎日8:30~17:15
・宮城県大衡村…マンホールカードの配布は「万葉・おおひら館」売店レジで毎日9:00~19:00(冬季は18:00まで)