伊豆の国市(いずのくにし)は静岡県の東部、沼津市のとなりに位置する人口4万6千の自治体です。古くから温泉街として賑わっていましたが、2015年に韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)が世界遺産に登録されたのに続き、2016年から放送のテレビアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台になったことで”聖地”として注目が集まり、観光客が急増しています。
そんな伊豆の国市でマンホールカードが配布されるようになったのは2019年12月から。配布場所は伊豆箱根鉄道・伊豆長岡駅前にある観光案内所です。マンホール蓋に描かれている韮山反射炉も見学してきましたので、合わせてお読みください。
カード配布場所は観光案内所
伊豆の国市観光案内所
▲伊豆箱根鉄道「伊豆長岡駅」
三島駅と修善寺駅を結んでいる私鉄・伊豆箱根鉄道の中間駅である「伊豆長岡駅」。アクセスについては後述します。
駅の正面口を出て左手。赤い矢印の建物が「伊豆の国市・観光案内所」です。ここの案内カウンターで年末年始も含む365日、休みなしでマンホールカードが配布されています。ただし夕方の16:00までなので注意してください。
・所在地…静岡県伊豆の国市南條780-3(伊豆長岡駅前)
・営業時間…9:00~16:00
・定休日…なし(年末年始も配布しています)
伊豆の国市のマンホールカード
カードのオモテ面
富士山をバックに世界遺産の韮山反射炉、そして特産品のイチゴがデザインされています。個人的には、可愛らしく浮かぶ白い雲がいい味出してるかなと。
右下のピクトグラムは「花」「果物」「名物品」「観光名所」「富士山」「歴史的建造物」「世界遺産」の7つです。
カードのウラ面
「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地
▲ラブライブ!サンシャイン!!の登場人物が描かれたラッピングバス
伊豆の国市周辺は「ラブライブ!」シリーズの第2作目に位置づけられる「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台になっているため、いわゆる”聖地巡礼”で多くのファンが訪れます。
ラブライブ!サンシャイン!!の聖地として知られる「内浦(うちうら)」「三津(みと)」の地名がつくエリアに行くバスが、ここ伊豆長岡駅前から出ています。1番のバス停から「三津シーパラダイス方面行き」に乗れば25分ほどで聖地周辺に到着!
伊豆長岡駅の駅舎内にはラブライブ!サンシャイン!!の記念撮影スポットがありました。
そのほか、スタンプや…
ガチャやステッカーマシーンも。いい思い出になりますね。
駅前に20分無料の駐車場あり
駅前の「バスやタクシーが停車しているエリア」を避けるような感じで、線路と平行に、すこしだけ北へ。
黄色い看板が目印の「タイムズ・伊豆長岡駅駐車場」があります。
1時間220円、最初の20分間は無料です。気軽に利用できますね。
伊豆箱根鉄道で三島駅から20分
▲伊豆長岡駅の時刻表
三島駅から伊豆箱根鉄道・修善寺行きに乗って9駅目、伊豆長岡駅までの所要時間は20分、片道330円です。ご覧の通り、日中は1時間に4本ぐらいのペースで運行しているので問題ないでしょう。
伊豆箱根バスで沼津駅南口から50分
▲「沼津駅南口」行きのバスが出ている伊豆長岡駅前の2番バス停
沼津駅から伊豆長岡駅へは鉄道だと「JR三島駅」経由でJR東海道線と私鉄を乗り継ぐルートになりますが、バスなら1本でOK。【沼71】【沼72】系統の伊豆箱根バスで、所要時間は約50分、片道730円です。
座標蓋の場所
伊豆箱根鉄道・韮山駅のすぐ東
伊豆の国市のマンホールカードに示されている座標の位置はココ。伊豆箱根鉄道・韮山駅(にらやまえき)のすぐ東です。ただし駅舎・駅の出入口は線路の西側にしかないので、徒歩の場合はグルっと回らなければなりません。
韮山駅は伊豆長岡駅から1駅。すぐとなりです。
旧・伊豆長岡町と2005年に合併するより前に旧・韮山町がデザイン・設置したマンホールなので、「伊豆の国市」ではなく「にらやま」と書かれています。
さきほどのマンホールから10mぐらい離れたところにも同じデザインの蓋がありました。こっちが正式な座標蓋である可能性もゼロではありません。
座標蓋の近くには、韮山反射炉をイメージしたと思われるモニュメントも。この地域の観光名所や、ゆかりの偉人などが描かれています。
無料駐車場あり
座標蓋が設置されている場所の近くに無料の駐車場があります。
韮山駅の脇にある「時代劇場(韮山文化センター)」や「市立図書館」、「公園」などの利用者しかクルマを置けませんよ的なことが書かれていますが、これは「クルマ置きっぱなしで電車に乗っちゃダメ」という意味です。観光目的の短時間の駐車であれば問題ありません。
世界遺産・韮山反射炉
伊豆長岡駅からクルマで5分
マンホールカード配布場所の伊豆長岡駅前から東へクルマで5分。世界遺産・韮山反射炉は山のふもとにあります。距離にして1.5kmなので、歩くと20分ぐらいでしょうか。
▲韮山反射炉の無料駐車場
韮山反射炉見学者用に乗用車150台が駐車できる大型無料パーキング完備。世界遺産登録を機に、周辺がキレイに整備されました。
そもそも「反射炉」って何?
反射炉というのは、ざっくり言うと「製鉄所」「大砲製造工場」です。江戸時代の末期、欧米列強と戦うときに使う西洋式大砲や砲弾を製造するための反射炉が日本各地に建設されました。その中で唯一、ほぼ完全なかたちで保存されているのが、ここ韮山反射炉だというわけです。
東京湾の「お台場(おだいば)」に置かれた大砲も、ここ韮山反射炉で造られたものらしいです。
有料エリアへの入場は500円
▲2017年に新しくできた「韮山反射炉ガイダンスセンター」
韮山反射炉の役割や歴史について詳しく解説してくれる施設「ガイダンスセンター」と反射炉本体があるエリアへの入場は有料です。
高校生以上は500円。ボクはJAF(日本自動車連盟)の会員証を提示したので50円割引されて450円で入れました。社会科見学の意味合いがあるからでしょうか、小中学生は急に安いっすね。
▲韮山反射炉ガイダンスセンター内の展示物
韮山反射炉を建設するにいたった歴史的な背景や、世界遺産登録にいたるまでの保存の取り組みなどが解説されているほか、館内のシアターでは迫力ある映像も見ることができます。
▲青銅製20ドイムモルチール(短い砲身の20センチ砲)
これと、ほぼ同じ大きさ・構造の迫撃砲が、幕末の戊辰戦争(会津若松の鶴ヶ城攻略戦など)で使用された説もあるようです。
館内の隅っこに置かれていた「てつざえもん」。韮山反射炉の公式PRキャラクター(年齢は永遠の16歳)です。どうやら人物大の着ぐるみも作られていて、市の教育委員会でスタンバってるみたいです。
「明治日本の産業革命遺産」
ガイダンスセンターから歩いて2分。韮山反射炉の本体に到着です。
幕末以降の日本の近代化に貢献した建物だと思いながら眺めると、じんわり胸アツ。
外側に組まれているトラス構造の鉄骨は昭和以降、耐震補強のために付け加えられたもの。もともとは、なかったんだそうです。しかし、PRキャラクターもマンホールの蓋も、鉄骨ありきでデザインされてましたけどね。
よく見ると、ところどころに危うい箇所がありますな。大きな地震が来ても大丈夫なんでしょうか。ちょっと心配。
▲鋳鉄製24ポンドカノン砲(レプリカ)
砲身の長い24ポンドカノン砲は、ここ韮山反射炉で、もっとも多く作られた大砲らしいです。”量産型”ってことですかね。
2015年7月に世界遺産登録された「明治日本の産業革命遺産」は日本各地に散らばっている歴史的建造物をひとまとめにしての登録であり、ここ韮山反射炉を含め、8つのエリア、全23資産の”遺産群”によって構成されています。
『明治日本の産業革命遺産』
萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、萩城下町、松下村塾
旧集成館、寺山炭窯跡、関吉の疎水溝
韮山反射炉
橋野鉄鉱山
三重津海軍所跡
小菅修船場跡、三菱重工長崎造船所第三船渠、同・ジャイアント・カンチレバークレーン、同・旧木型場、同・占勝閣、高島炭坑、端島炭坑(いわゆる軍艦島)、旧グラバー住宅
三池炭鉱、三角西港
官営八幡製鐵所、遠賀川水源地ポンプ室
※このリストは世界遺産に登録されている名称として必ずしも正式な表記ではありません。
反射炉の脇を何気なく流れている川ですが、これも立派な世界遺産。鉄をつくるときの冷却水に利用された川として、一部の区間が世界遺産に組み込まれています。
おみやげ・特産品コーナー
▲無料エリアにある「反射炉物産館」
反射炉関連グッズや静岡県の特産品などを販売している建物になります。レストランも併設しています。
お茶の試飲ができるコーナーがありました。奥のほうに見えてる「わさび」も、ここ伊豆半島が全国屈指の生産地です。
静岡県の温暖な気候をいかして栽培されている「みかん」と「いちご」。いちごは伊豆の国市のマンホール蓋のデザインにも採用されていますね。
反射炉名物!大きなイチゴの苺大福!使用されている「紅ほっぺ」は2002年に品種登録された静岡県生まれのイチゴです。いい色してますなあ。
・所在地…静岡県伊豆の国市中字鳴滝入268-1
・営業時間…9:00~17:00(4月~9月)/9:00~16:30(10月~3月)
・休業日…毎月第3水曜
・入場料…500円
・駐車場…無料大駐車場完備
▲中央の赤いピンは韮山反射炉の「無料駐車場」の位置を示しています
伊豆の国市への広域アクセス
クルマで
東京から東名高速道路経由で2時間
【片道140km】東京→(東名高速道路)→沼津インター→(伊豆縦貫自動車道)→大場・函南インター→(国道136号)→伊豆の国市
名古屋から東名高速道路・新東名高速道路経由経由で3時間
【片道250km】名古屋→(東名高速道路)→豊田ジャンクション→(新東名高速道路)→長泉沼津インター→(伊豆縦貫自動車道)→大場・函南インター→(国道136号)→伊豆の国市
鉄道で
東京駅から「特急踊り子号」で2時間(JR→伊豆箱根鉄道の乗換えなし、直通運転)
【片道4520円】JR東京駅→(特急踊り子号・修善寺行き)→伊豆長岡駅
東京駅から普通列車と伊豆箱根鉄道で2時間40分
【片道2640円】JR東京駅→(東海道本線・普通列車)→JR熱海駅→(東海道本線・普通列車)→JR三島駅…三島駅→(伊豆箱根鉄道)→伊豆長岡駅
名古屋駅から新幹線と伊豆箱根鉄道で2時間30分
【片道8770円】JR名古屋駅→(東海道新幹線・こだま号)→JR三島駅…三島駅→(伊豆箱根鉄道)→伊豆長岡駅
バスで
バスタ新宿から伊豆長岡温泉まで2時間10分
【1日1便・片道2620円】バスタ新宿8:30→(東海バス・修善寺温泉ライナー)→長岡温泉バス停10:40
【1日1便・片道2620円】長岡温泉バス停15:00→(東海バス・修善寺温泉ライナー)→バスタ新宿17:15
事前予約なら片道2570円、往復4720円(往路乗車から7日以内)です。
バスタ新宿・渋谷マークシティからJR三島駅・JR沼津駅まで3時間前後
片道2200円。いくつかの便があります。運行は「富士急シティバス」。
静岡県のマンホールカード情報
2020年12月17日現在
・静岡市(A)…平日は「静岡市上下水道庁舎6階」(葵区七間町15-1)で、休日は「静岡市上下水道庁舎 守衛室」で8:30~17:15配布。
・静岡市(B・ちびまる子ちゃんマンホールカード)…「清水駅前観光案内所」(JR清水駅前)で毎日9:00~17:45配布。※年末年始(12月29日~1月3日)はお休み、土日祝日の13:00~14:00は昼休憩により配布一時休止。
・浜松市…「浜松市観光インフォメーションセンター」(JR浜松駅構内)で毎日9:00~19:00配布。年中無休。
・沼津市(A)…平日は「沼津市役所 水道部 水道総務課(水道部庁舎2階)」(御幸町16-1)で8:30~17:15配布、それ以外の日時(=平日の8:30~17:15以外)は「沼津市役所 水道部庁舎守衛室」で配布。※ただし年末年始はお休み。「終日配布」という意味なのかどうかは未確認。
・沼津市(B)…「沼津観光案内所」(JR沼津駅ビル・アントレ2階)で毎日10:00~18:00配布。※2019年12月14日(土曜)と15日(日曜)は「沼津市水道部庁舎」で10:00~18:00配布。「ラブライブ!サンシャイン!!」のマンホールカードです。初期ロットは8000枚だそうです。
・富士市(A)…「富士市役所上下水道部 上下水道営業課(水道庁舎5階)」(青島町191)で平日の8:30~17:15配布、「富士市役所北口警備室」(永田町1-100)で休日の9:00~16:00配布。※ただし年末年始(12月29日~1月3日)はお休み。
・富士市(B)…「岳南電車・吉原駅」(鈴川本町14-2)で毎日9:00~17:00配布。駅の切符売り場の有人窓口で受け取ることになります。鉄道利用者の邪魔にならないよう配慮をお願いします。
・磐田市…「磐田市観光協会」(JR磐田駅北口)で月曜以外の毎日9:00~18:00配布。※毎週月曜(月曜が祝日の場合はその翌日)と年末年始(12月29日~1月3日)はお休み。
・焼津市…「焼津市観光協会」(栄町1-2・JR焼津駅前)で毎日8:30~17:30配布。※ただし年末年始はお休み。
・掛川市…「掛川城券売所」(掛川1138-24・掛川城公園)で毎日9:00~16:30配布。年中無休。掛川城公園の駐車場は30分100円です。無料の駐車場はありません。
・南伊豆町…「南伊豆町観光協会」(下賀茂157-1)で毎日9:00~17:00配布。年中無休。南伊豆町は全国有数の伊勢海老の水揚げを誇り、サザエやキンメダイなども有名です。高級な海の幸が食べたくなったときにぜひどうぞ。
・熱海市(A)…「市役所・下水道課」(第二庁舎2階)で平日の8:30~17:15配布、「市役所警備員室」(第一庁舎1階)で休日の8:30~17:15配布。
・熱海市(B)…「熱海市観光協会(ワカガエルステーション)」(親水公園レインボーデッキ内の初川寄り)で4月~9月の毎日9:00~17:30、10月~3月の毎日9:00~17:00、年末年始(12月29日~1月3日)の10:00~16:00配布。年中無休。
・三島市…「三島観光案内所」(JR三島駅南口)で毎日9:00~17:00配布。おそらく年中無休。以前は市役所で配布していましたが、現在は変更になっています。
・富士宮市(A)…「市役所下水道課」で平日の8:30~17:00配布、「市役所1階東側当直室」で休日の8:30~17:00配布。2020年12月31日現在、配布を一時中止しています。再開時期は未定です。
・富士宮市(B)…「富士宮駅前観光案内所」(JR富士宮駅前)で毎日配布(平日は9:00~17:00、休日は10:00~15:00)。※ただし年末年始はお休み。2020年12月31日現在、配布を一時中止しています。再開時期は未定です。
・伊東市…「伊東温泉観光・文化施設『東海館』」(東松原町12-10)で休館日以外の毎日9:00~20:30配布、「伊東観光協会・伊東駅前案内所」(伊東駅前)で東海館休館日の9:00~17:00配布。※東海館の休館日は毎月第3火曜(祝日の場合は翌日が休館日)。
・藤枝市…「藤枝市郷土博物館・文学館」(若王子500)で月曜以外の毎日9:00~17:00配布。※お休みは月曜(月曜が祝日の場合は翌日)と年末年始(12月28日~1月4日)。文学館の入館受付は16:30まで。
・長泉町…平日は「町役場上下水道課」(町役場2階)で、休日は「町役場日直室」(町役場1階)で9:00~17:00配布。
・小山町…「小山町観光案内所」(道の駅ふじおやま内)で毎日8:30~18:00配布。駿河小山駅前の観光案内所とは違うので注意。
・御殿場市…「富士山樹空の森(御殿場市富士山交流センター)」(御殿場市印野1380-15)で火曜以外の毎日9:00~17:00配布(12月~2月は9:00~16:00)。※火曜が祝日の場合は翌日お休み。年末年始もお休み。カラーマンホール蓋はJR御殿場駅の富士山口に4ヶ所設置されています。
・伊豆の国市…「伊豆の国市観光案内所」(南條780-3・伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅前)で毎日9:00~16:00配布。※年末年始のお休みなし、年中無休で配布。駅前に20分無料の駐車場があります。
・吉田町…「しらすのまどぐち」(片岡2499-2・展望台小山城駐車場内)で月曜以外の毎日9:00~16:00配布。※毎週月曜(月曜が祝日の場合は翌日)と年末年始(12月28日~1月5日)はお休み。