「テッシ武四郎カード」は北海道・天塩川(てしおがわ)流域11市町村+三重県松阪市(計12市町村)でのみ入手することができ、マンホールカードやダムカードなどと同じく無料で配布されています。
幕末の探検家であり「北海道」の名付け親としても知られる松浦武四郎(まつうらたけしろう)の生誕200年を記念して2018年(平成30年)11月に企画・発行されました。
具体的な配布場所は?「テッシ」の意味は?さまざまな疑問を解消するべく現地を訪問し、色々と調べてみました。ぜひ参考にしてください。
「テッシ武四郎カード」の基本情報
配布は2018年11月から
▲テッシ武四郎カードのパンフレット・おもて面
天塩川流域を始めとする北海道各地を調査した幕末の探検家・松浦武四郎は新政府に対し、それまで「蝦夷地」などと呼ばれていた地域を「北加伊道」と名付ける提案をしました。明治2年(1869年)のことです。
▲カードを配布している天塩川流域の11市町村
「2018年」は北海道命名から150年、そして、松浦武四郎の生誕200年にもあたることから、武四郎とゆかりの深い天塩川流域の11市町村+三重県松阪市(計12市町村)が観光振興を目的とするカードを発行することになりました。松阪市は武四郎の生誕地です。
配布は2018年11月から始まっています。
※2021年1月現在、一部のカードは在庫切れにより配布を終えているので注意してください。
▲パンフレット・うら面
カードの配布場所一覧
・カード配布場所…士別市立博物館
・所在地…北海道士別市西士別町2554(士別市中心部から南西へ800m)
・開館時間…4~9月は9:30〜16:30/10~3月は10:00~16:30
・入館料…100円
・休館日…毎週月曜(祝日の場合は翌日も休館)、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
・駐車場…あり
・備考…同じ場所で北海道先人カードも配布中
・カード配布場所…駅前交流プラザ「よろーな」1階観光案内所
・所在地…名寄市東1条南7丁目1番地10(JR名寄駅前)
・カード配布時間…平日9:00~17:30/土日祝9:00~17:00
・休業日…年末年始(12月31日~1月5日)お休み
・駐車場…なし
・備考…同じ場所でマンホールカードも配布中
・カード配布場所1…和寒町役場2階(総務課まちづくり推進係)
・所在地…北海道上川郡和寒町字西町120番地
・カード配布時間…8:30~17:15(土日祝は役場管理人室で配布)
・お休み…年末年始
・駐車場…あり
・カード配布場所2…わっさむ町「食と観光情報案内所」
・所在地…北海道上川郡和寒町字北町200(交流施設ひだまり)
・営業時間…9:00~17:00
・お休み…毎週月曜と年末年始(12月30日~1月6日)
・駐車場…あり
・備考…同じ場所で和寒町のマンホールカードも配布中
・カード配布場所…絵本の館
・所在地…北海道上川郡剣淵町緑町15-3
・開館時間…10:00~17:00
・お休み…毎週水曜と年末年始
・駐車場…あり
・カード配布場所…まちおこしセンター「コモレビ」
・所在地…北海道下川町共栄町1-1(廃止されたJR名寄線下川駅の跡地付近)
・営業時間…9:00~21:00
・お休み…年末年始
・駐車場…あり
・備考…同じ場所で「北海道・水力発電所カード」も配布中
・カード配布場所…道の駅びふか
・所在地…北海道美深町字大手307-1(国道40号沿い)
・営業時間…5月~10月は9:00~18:00(7月下旬~8月中旬の土日祝は~19:00)/11月~4月は9:00~17:30
・お休み…年末年始
・駐車場…無料大駐車場あり
・備考…同じ場所で「北海道・水力発電所カード」も配布中
・カード配布場所1…音威子府村役場総務課地域振興室
・所在地…北海道音威子府村字音威子府444-1
・カード配布日…土、日、祝日、年末年始以外
・カード配布時間…8:00~17:15
・カード配布場所2…道の駅おといねっぷ天北龍
・所在地…北海道中川郡音威子府村字音威子府155(国道40号と国道275号が分岐する丁字路地点)
・カード配布日…火、年末年始以外
・カード配布時間…11:00~17:00
・駐車場…道の駅の駐車場を利用
・カード配布場所…中川町役場2階「総務課企画財政室」
・所在地…北海道中川町字中川337
・カード配布時間…9:00~17:00
・お休み…土日祝と年末年始(12月31日~1月5日)
・カード配布場所…幌加内町役場「出納室」
・所在地…北海道幌加内町字幌加内4699
・カード配布時間…8:30~17:15
・お休み…土日祝と年末年始
・カード配布場所…てしお温泉「夕映」
・所在地…北海道天塩郡天塩町サラキシ5807-4(市街地の南・鏡沼海浜公園近く)
・カード配布時間…11:00~17:00(温泉施設は~22:00まで営業)
・お休み…なし(臨時休館日あり)
・駐車場…あり
豊富町(とよとみちょう)
…配布終了
・カード配布場所…松浦武四郎記念館
・所在地…三重県松阪市小野江町383(国道23号小野江交差点から西へ)
・カード配布時間…9:30~16:30
・お休み…毎週月曜、祝日の翌日、年末年始(12月29日~1月3日)
・駐車場…あり
「テッシ」の意味
天塩川の名前の由来はアイヌ語で「テッシ・オ・ペッ」(=魚を採る梁(やな)・多い・川)から来ているとされています。アイヌの人々が天塩川に岩を並べ、魚を寄せ集めて採っている様子が松浦武四郎の探検記の中にも記されているとのこと。
つまり「テッシ武四郎」は、その「テッシ」と「武四郎」を合体させるかのごとく作り出された「語呂の良い造語」のようなものとして捉えるべきなのかな、と思います。それ以上の深い意味については、ネット上を必死に探してみたけど出てきませんでした。
和寒町のカード配布場所探訪
和寒町「食と観光情報案内所」
和寒町の中心部をつらぬく国道40号線沿いの、JR和寒駅のすぐ近く。「和寒町交流施設ひだまり」「食と観光・情報案内所」などと書かれた看板が立っています。
「道の駅」ほど大きな施設ではありませんが、駐車場完備で、営業時間内であればトイレなども利用させてもらえます。
施設の駐車場からJR和寒駅を望むの図。ほぼ目の前です。鉄道のアクセスも便利ですね。
情報案内所に入ると、テッシ武四郎カードとマンホールカードの配布場所であることがひと目で分かるボードがありました。ちょっと安心する瞬間です。
ボードの右上には、カラーマンホール蓋の設置場所を示す写真が添えられています。カラーマンホール蓋の設置場所は、ここ(情報案内所)ではなく、500mほど離れた町役場前になります。
情報案内所の中にはJR和寒駅の駅スタンプが置かれ、観光列車のヘッドマークなどの展示コーナーも。JR和寒駅は平成7年に完全無人化されたため、この場所が、その役割の一部を担っているのかもしれません(ただし切符の販売などは行っていません)。
和寒町の特産品やご当地グッズを販売しているコーナー。「全日本・玉入れ選手権」のハタも見えてます。運動会でおなじみの「玉入れ競技」ですが、ここ和寒町が日本における唯一の聖地となっているのです。残念ながら2020年度の大会は中止となってしまいました。
特産品のトマトを使った「高級とまとジュース」。ふるさと納税の返礼品にもなっています。
むむっ
「宗谷本線53駅サコッシュ」?
恥ずかしながら「サコッシュ」という言葉を聞いたことがなかったので調べてみたら、『肩に斜めがけできるバッグ』のことらしいです。両手が使えるので、ちょっとしたお出かけに最適なんだとか。
色合いとか、素材の質感とか、丈夫そうな厚手の生地とか、とっても魅力的。JR宗谷本線・53駅の駅名が記されていました。
こちらも、ふるさと納税の返礼品になっているようです。
和寒町ver.のカード
▲カードのおもて面
▲カードのうら面
無事にテッシ武四郎カードもいただきました。世界に誇るべき独特なアイヌ文様風の枠で囲まれたデザイン。ナイスカードです。
情報案内所の担当者様、お忙しいところ恐縮です。
和寒町・カード配布場所へのアクセス
クルマで
旭川市から国道40号を北へ45分前後。
鉄道で
JR旭川駅からJR和寒駅まで宗谷本線の普通列車で1時間。
美深町のカード配布場所探訪
道の駅びふか
旭川市から国道40号線をひたすら北に向かって走ること2時間。道の駅びふかは市街地から少し離れたところにあります。
入口で「テッシ武四郎カードご希望の方は店員にお声かけください」「無料配布/限定1000枚」と書かれた貼り紙を発見。まだ在庫があるようです。
この地域の特産品やオリジナルグッズなどを販売しているコーナー。
絵に描いたような骨付きのお肉(ハム?)。ジンギスカンで有名な「サロベツファーム」の商品ですな。
展望通路は残念ながら冬期閉鎖中でした。
2階にはレストランがあるのですが。訪問したのが午前10時頃で、「準備中」になっていました。
あらま。意外と本格的なメニューが用意されているのですね。営業開始は午前11時から。
マジか!大好物の「あんかけ焼きそば」まであるやん!食べたかった~。
美深町の和菓子屋さんが作っているらしい、かわいいお菓子を買いました。
とてもおいしくいただきました。ごちそうさまです。
美深町ver.のカード
▲カードのおもて面
▲カードのうら面
無事にテッシ武四郎カードをいただきました。レジの担当者様、お忙しいところ恐縮です。
美深町・カード配布場所のアクセス
クルマで
旭川市から国道40号経由で2時間。
稚内市から国道40号経由で2時間20分。
鉄道・バスで
JR旭川駅からJR紋穂内駅(もんぽないえき)まで宗谷本線の普通列車で2時間30分。JR紋穂内駅から道の駅びふかまで徒歩3km。
道の駅のすぐ近くを走る路線バスあり。名士バスの「温根内線」で検索。
「北海道命名の地」探訪
国道40号沿い
「北海道命名の地」は国道40号沿い、音威子府村の筬島(おさしま)という地区にあります。
「北海道」という地名は幕末の探検家・松浦武四郎さんが提案した6つの候補のうちの一つ「北加伊道」をもとにして、明治新政府が決定しました。
「北加伊道」の「加伊」は松浦さんが安政4年(1857年)に蝦夷地(北海道)を調査した際、アイヌの長老から教えてもらった「カイ(=この地に生まれたもの)」という言葉から発想を得たとされています。
国道40号から脇道に入り、白樺の林の中を数100m進んでいったところに、その「カイ」という言葉を教えてもらった場所があるらしいのですが…
天塩川のほとりに記念碑
ばばーん
ありました。
北海道命名之地
北海道知事・高橋はるみさんが揮毫した(毛筆で書いた)という立派な碑。全長5mのトドマツだそうです。
設置されてから、それほど何年も経っていなさそうな新しい案内看板も。
松浦武四郎さんと天塩川の関係・歴史について、わかりやすく説明されています。
松浦さんは「天塩日記」に、そうとう細かく記録を残していたのですね。そりゃまあ、遊びで調査に来たわけじゃないから当たり前か。
そういえば漫画「ゴールデンカムイ」にも、イナウ(祝いの儀式や祭礼に用いられる祭具)について触れられているシーンがありますね。
北海道命名の地のアクセス
奥にチラッと見えてるのが天塩川の本流。オフロード車なら、すぐ近くまで行けると思います。ぬかるんでいる箇所もあったので、フツーのクルマは近づかないほうが無難。
・所在地…北海道音威子府村筬島(おさしま)
・駐車スペース…10~20台分あり
・備考…トイレ、水場なし
クルマで
音威子府村の中心部から国道40号を北へ8km。
鉄道で
JR旭川駅からJR筬島駅まで宗谷本線の普通列車で3時間15分。筬島駅から徒歩1km。
宗谷本線は運行本数が少ないので注意。