2018年4月から放送されているNHK朝ドラ「半分、青い。」に登場する『ふくろう商店街』を訪問している記事の後編です。
↓前編はコチラ
『ふくろう商店街』はヒロインが生まれ育った町として、ドラマの”岐阜・故郷編”において重要な舞台となります。江戸時代から昭和にかけての古い建物が今も多く残る岐阜県恵那市岩村町(いわむらちょう)の「本通り」をそのまま生かしてオープンセットに仕立て上げ、ロケが行われました。
さらに『ふくろう商店街』(岩村本通り)を歩く!
東西およそ1.3㎞にわたる「岩村町の本通り」。前半の記事では、本通りの中央付近に位置する「みはら」さんで五平餅を食べたところまで紹介しました。ここから先は、その続き。本通りの東端を目指し、再び、ゆるやかに坂を上っていきます。
↑今回紹介している区間と、無料駐車場(5ヶ所)を示した地図です。
ニシオスポーツ
え?これがスポーツ用品店?
すごくないですか。その名もニシオスポーツさん。インターネットで検索をかけると「スポーツショップニシオ」と表示されるので、そちらが正式な店名なのかもしれません。
どちらにせよ、です。この古風な造りの建物がスポーツ用品店であってもぜんぜん不思議じゃないのが歴史のまち・岩村町。『ふくろう商店街』においては店名こそ「タチバナスポーツ」に変わっているものの、そのままスポーツ用品店として登場します。
ヌマダ洋品店
岩邑(いわむら)中学校指定の運動着(ジャージ)などを販売しているヌマダ洋品店さん。木枠でできたショーケースなど、こちらも昭和の香りただようナイス店舗です。『ふくろう商店街』においては「いけいど洋品店」と名前を変えて登場しています。
水半名物販売店
岐阜県恵那地方の特産品である「菊ゴボウ(アザミゴボウ)」を使った味噌漬けが看板商品のお店、水半名物販売店(みずはんめいぶつはんばいてん)さん。創業百年を超える老舗です。建物が大きいためか、『ふくろう商店街』においては「ふくろう銭湯」という名前の公衆浴場に変身して登場します!
「アイスキャンディー」と書かれた吊り旗がユラユラ…。訪問した日は最高気温が25℃近くまで上がるほど暑かったので、ここで休憩させてもらうことにしました。
「福岡・柳川」「カバ印・椛島氷菓」のアイスキャンディーですか、初めて目にするメーカーです。※正式な商品名は「アイスキャンデー」となっています。
水半名物販売店のオーナーさんによれば「これが一番おいしい」とのことで、わざわざ九州から取り寄せて販売しているんだとか。これは気になる!
いろんな味が用意されていて迷います。
ソーダ味にしてみました。昭和の香りただよう商店街のベンチに座り、昭和の香りただよう素朴な味わいのアイスキャンディーをサクリサクリとかじる幸せ。ドラマの登場人物になった気分で皆さんもゼヒどうぞ。
営業時間…8:00~20:00
定休日…なし
下町升形
東海道や中山道など、江戸時代に整備された街道でよく見られる升形(ますがた)の道。城下町のメインストリートだった岩村本通りにも当然のように存在します。この日は「いわむら城下町のひなまつり」開催中だったのでステージが設けられていました。「広場」としての役割もあり、かつては高札場(こうさつば=街の掲示板)が置かれていたようです。
下町升形から、今まで歩いてきた本通りを振り返ってみたの図。
「半分、青い。」の中で、しばしば映し出される「ふくろう商店街の全景」は、ここ升形付近から撮影されたアングルになります。朝ドラファンならハズせない記念撮影スポットでしょう。
京屋家具店
升形の南東カドに建っている大きな商家は1790年(江戸時代)創業の京屋家具店(きょうやかぐてん)さん。オーダーメイドの創作家具が看板商品の、本気の家具屋です。都会にあるフワフワした家具の量販店とは本気度が違いすぎて、一瞬、ひるみます。
営業時間…9:00~18:00
定休日…火曜
京屋家具店さんの店舗脇にある赤い丸ポスト。
矢野書店
まるで古書店のようなたたずまいですが、なんとビックリ普通の書籍&文具を取り扱っている矢野書店さん。とはいえ歴史のまち・岩村町らしく、歴史書や古文書、地域情報を扱った書籍のコーナーがあります。
店頭には昔の看板が展示され、古い町並みの雰囲気を盛り上げています。
営業時間…8:00~19:00
定休日…日曜
大黒屋
3種類のみたらしだんごや五平餅、からすみ(ボラの卵巣ではなく、岐阜県や長野県の一部に伝わる伝統の和菓子)などの手作りお菓子と駄菓子のお店、大黒屋さん。
営業時間…10:00~18:00
定休日…不定期
かめや菓子舗(カステラcaféカメヤ)
岩村町に3軒あるカステラ専門店のうちの一つ、かめやさん。岩村町にカステラ専門店が多い理由は、江戸時代に岩村藩の医師が蘭学を勉強するため長崎に行った際にカステラの製法を身につけ、岩村に戻って町民(藩民)に広めたためだとされています。
かめやさんの公式サイトからは「岩邑(いわむら)カステーラ」の伝統を守り、継いでいく強い意志を感じます。
おしゃれなカフェスペースを併設しています。ブレンドコーヒー400円、和紅茶(岐阜県産の茶葉使用でカップ2杯分)650円などのほか、SNS映えするカワイイお菓子のセットメニューが用意されています。
営業時間…9:00~18:00(カフェは17:00まで※ラストオーダー16:30)
定休日…月曜(臨時休業、臨時営業あり)
岐阜信用金庫
岐阜ケンミンにとってはムーミンのキャラクターでお馴染みの岐阜信用金庫(ぎふしん)さん。ご覧のように景観に配慮した建物になっています。
かつては有人店舗だった「ぎふしん恵那支店岩村出張所」ですが、現在はATMのみの無人店舗になっています。ATM稼働時間は平日と土曜が7:00~21:00、日曜祝日が8:00~21:00。
勝川家
こちら勝川家(かつかわけ)は江戸時代に岩村藩の木材や年貢米を取り仕切った豪商です。建物は江戸時代後期のもの。
明治時代に入って岩村城が取り壊される際、払い下げを受けた建造物の一部は勝川家住宅に使われています。
渡り廊下。走っちゃダメですよ。
奥のほうに入っていくと立派な蔵が現れます。これも岩村城の遺構だと言われています。
見事な梁(はり)ですな~。
開館時間…9:30~16:30(12月~2月は10:00~16:00)
休館日…火曜と年末年始
入館料…無料
土佐屋
江戸時代に染物屋を営んでいた旧家の土佐屋(とさや)。平成11年に建物の復元工事が完成し、あらたに「工芸の館」として公開されています。江戸時代の藍染めの工程や、土佐屋の歴史に関する展示があります。
開館時間…9:30~16:30(12月~2月は10:00~16:00)
休館日…水曜と年末年始
入館料…無料
岩村郵便局
景観に配慮した建物の岩村郵便局。この記事を書いている時点では公式の発表がありませんが、過去に朝ドラ関連の記念切手シートが発行されたケースがあるので、情報を見逃さないようにしたいものです。
赤い丸ポストよりも、もっと古いタイプの郵便ポスト。復元され、岩村郵便局前に置かれています。もちろん普通に投函してOKです。
理容すみれ
ほどよい昭和感がナイスな理容すみれさん。そういえば、そろそろ髪を切るタイミングだったっけ、という方はゼヒどうぞ?
営業時間など詳細はわかりません。
みつば
築100年を超える古民家で手打ちうどんを提供しているみつばさん。100種類を超える焼酎が用意されているなどアルコール類が充実しています。隠れ人気メニューは「もつ鍋」との情報あり。
営業時間…11:00~14:00/17:30~20:00
定休日…木曜
まち並みふれあいの館(観光案内所)
かつて銀行だった建物を利用している観光案内所。各種パンフレットが置いてあったり、特典付きの食べ歩きクーポンが販売されていたり。立ち寄って損のない施設です。
調べてみると、濃明銀行(のうめいぎんこう)は明治30年から昭和6年までこのエリアに存在した銀行で、のちに岐阜市に本店を置く十六銀行(じゅうろくぎんこう)に買収されたようです。
いかにもなデザインのソファ。やんちゃな子供がいる家庭では表面が100%確実に破れ、スポンジみたいのが飛び出てきがちですよね。
和風柄の羽織が無料で借りれます! 古民家の前に立って写真を撮り、あとで画像をセピア色や白黒に加工すると面白いかもしれませんね。
NHK出版の公式ドラマガイドブック「半分、青い。Part1」が売られていました。ボクも持ってますが、これを読むと読まないとではドラマを見るときの楽しさがぜんぜん違ってきます。Part2は2018年7月下旬発売予定だそうです。
本町交差点
これまで歩いてきた岩村本通りと、国道363号線が交わるところ。本町交差点です。すぐ近くに公衆トイレがありますよ。
ここまで来れば岩村の古い町並みも、あと少し。赤い線の方向に、ゆるやかに上がっていきます。
水野薬局
本町交差点からすぐのところにある、間口の広い、歴史を感じさせる建物の水野薬局さん。軒下に並んでいる古いクスリの看板など、誰もが写真を撮りたくなる物件です。
この水野薬局は明治15年、党勢拡大のための遊説で岩村町を訪れていた自由党の政治家・板垣退助が宿泊したことでも知られています。その直後、「岐阜事件」で暴漢に襲われた際に板垣が発したのが有名な「吾死スルトモ自由ハ死セン(=板垣死すとも自由は死せず)」という言葉。
長野県・御嶽山のふもとにある製薬会社のクスリ「御岳・百草丸(ひゃくそうがん)」。知る人ぞ知る胃腸薬です。
藤井時計店
築200年の古い店舗が目を引く藤井時計店。店内にはアンティークの掛時計なども置かれています。メガネ・補聴器も取り扱っている本格的な「町の時計屋さん」ですよ。
営業時間…8:30~20:00(日曜は~18:00)
定休日…なし
昭和堂
店先の看板には「文房具・昭和堂」と書かれていますが、詳細は不明です申し訳ありません。それにしても、絵に描いたような「看板建築(かんばんけんちく)」です。看板建築は関東大震災後に数多く用いられ、通りに面した部分のみ近代的なコンクリート造り風のデザインにしつつ、建物本体は普通の木造住宅になっているもののことです。
松浦軒本店
岩村町に3軒あるカステラ専門店のうちの1つ。創業寛政8年(1796年)の老舗、松浦軒本店さんです。前半の記事で紹介した「かめや」さんや「松浦軒本舗」さんと同じく、長崎で製法を学んで帰藩した岩村藩の医師から伝えられたカステラを今に受け継いでいます。
営業時間…8:30~19:30
定休日…無休(元旦のみお休み)
岩村醸造
大きな杉玉が下がるこちらの建物は、もちろん造り酒屋。江戸時代創立の岩村醸造さんです。
「女城主」という銘柄で有名。
あま酒のソフトクリーム、ちょっと気になります。
かつて原料米やお酒の運搬に使われていたトロッコのレール沿いに酒造りの現場を見学することができます。水道水は一切使わず、400年前に掘られた天然水の井戸水を使って仕込みを行っているとのこと。
酒蔵見学時間…9:30~16:00(商品の販売は8:00~17:00)
定休日…年末年始のみ
見学料…無料
梅庄商店
こちらも絵に描いたような看板建築。かつてはデパートのような存在だったんでしょうか、現在は婦人服などを販売している梅庄商店さんです。先ほど紹介した、すぐ近くにある「昭和堂」さんと建物のデザインがよく似ています。
常夜灯
1795年(寛政7年)建立の常夜灯。かつては違う場所にあったようですが、岩村城の創築800年を機に、古い町並みから岩村城に向かう重要な場所にあたるこの場所に移設されたんですね。
徒歩で岩村城を目指す場合、この常夜灯がある辻を北に向かうことになります。
オマケ
古い町並みの路面にあったマンホール。岩村城と、かつて町の木だった「ヒメコ松」、町の花だった「ヤマツツジ」がデザインされ、中央やや下には恵那市に編入される前の旧・町章(漢字の【岩】を意匠化したマーク)、さらに「いわむら」「女城主の里」等の文字も見えています。
アクセス・駐車場
明知鉄道で岩村町まで
・明知鉄道「恵那駅」(JR恵那駅に併設)から《明智行き》普通列車に乗り「岩村駅」まで約30分。大人片道480円。
2018年4月20日現在の時刻表
《往路》
恵那駅発時刻・土休日【6:47】【7:58】【9:11】【10:15】【11:19】【12:25】【13:45】【15:07】【16:15】【17:23】【18:30】【19:47】【20:58】
《復路》
岩村駅発時刻・土休日【5:50】【7:17】【8:28】【9:41】【10:45】【11:49】【12:57】【14:15】【15:37】【16:45】【17:53】【19:00】【20:16】
明知鉄道の1日フリー切符は1380円(恵那駅と明智駅で発売・岩村駅では発売していません)
クルマ・バイクで岩村町まで
・「名古屋インター」から中央自動車道経由で「恵那インター」まで約1時間
・「東京・八王子インター」から中央自動車道経由で「恵那インター」まで約4時間
・恵那インターから国道257号線経由で岩村町まで、さらに30分
無料駐車場あり〼
岩村町の古い町並みの南側を走る国道(257号と363号の重複区間)沿いに無料駐車場が3ヶ所あります。
第1駐車場(岩村振興事務所)
岩村振興事務所前に普通車50台の無料駐車場。大型バスも駐車可能です。
第2駐車場(合原駐車場)
第1駐車場の少し東にある第2駐車場(合原駐車場)は普通車30台のほか大型バスも駐車可能。
第3駐車場(岩村コミュニティセンター)
岩村コミュニティセンター前には普通車80台が置ける「第3駐車場」があります。本通りの西側入口に近い場所なので、ここにクルマを置くのがオススメ。
時間に充分な余裕がなく、岩村城のふもとに近いエリアだけを見学したい場合は「第1駐車場」か「第2駐車場」のほうにクルマを置くと良いでしょう。
岩村城だけを見学したい場合は上記の3ヶ所ではなく、岩村城のふもとにある岩村歴史資料館の駐車場(普通車50台、大型バス駐車可)か、岩村城址すぐ脇の出丸広場駐車場(普通車10台、マイクロバス駐車可)にクルマを置くと良いでしょう。